前々から、ネットなどで調べることはあったのですが、一覧性のあるページがありませでした。 着物関係のページでは、足りないものがあったり、テキスタイルのページからだと専門的過ぎたり。 以前、思い付きでTwitterで着物屋帯に使われる素材を投稿をしたものを、加筆修正をしてサイトにアップすることにしました。 画像は、以前サンプルで作成した秩父産の絹糸を使った兵児帯です。 自宅の洗濯機でネットに入れて洗濯しています。 着物や帯に使われ素材は、ざっくりとですが分類すると、 8種類に分けられると思います。
この分類は素材を軸にしてわけました。 織り方の視点からの分類ではありません。 「何からできているの?」という視点での分類です。 また、私の少ない知識を元にしているので、足りない部分や勘違いもあるかもしれませんし、学術的な分類ではなく、消費者目線ですのでその点をご理解ください。
①絹 蚕からとれた糸で織ったものです。 蚕は家畜化されているので、家蚕(かさん)とも言います。 その対義語として絹糸を生成する野生の昆虫のうち人間が利用してきたものの総称として野蚕(やさん)があります。
②木綿 いわゆるコットン。 今では普段着物の代名詞的な立ち位置だけど、戦国時代中期まではあまり普及していなくて高級品だった。
③麻 大麻が栽培され主要な繊維原料とされるが、第二次世界大戦以後大麻取締法によって禁止される。 リネン : 亜麻 ラミー : 苧麻(ちょま) ヘンプ : 大麻(たいま) 麻は、これらの総称です。 小千谷ちぢみや、近江縮は、苧麻(ちょま)を使っています。
④ウール 羊毛。 また、羊毛を原料とした織物です。
⑤化繊 ポリエステル: 石油を原料とする合成繊維。 東レ シルック、シルジェリー、セオα レーヨン: 木材パルプを主原料とした再生繊維。 昔は、人絹とも呼ばれた。
⑥自然布 葛布(くず): 蔓(つる)から取り出した繊維で織る。 芭蕉布(ばしょう): 3年くらいの芭蕉を幹から取り出した繊維で織る。 諸紙布: 和紙を細く切って撚りをかけて糸にし、縦糸、緯糸を使って織った布。 しな布: シナノキ、オオバボダイジュ又はノジリボダイジュの樹皮から取り出した繊維で織る。 藤布(ふじ): 山に自生する、藤蔓(つる)の皮を剥いで取り出した繊維で織る。 楮布(こうぞ): 楮の樹皮から繊維を取り出して織ります。 アットゥシ: オヒョウ(シナノキの場合もある)のから取り出した繊維で織る。
⑦交織(こうしょく) 縦と横で違う素材を交ぜたもので、織り方に分類されるものかもしれませんが、あえて載せました。 糸の段階で繊維を混ぜると混紡といいます。 例:絹と木綿 絹と麻 絹とウール 木綿と麻 自然布と木綿、麻、絹
⑧その他 上の7つにカテゴリー分けできないもの。 例: ぜんまい白鳥織 ぜんまいの綿毛、白鳥の羽毛、綿花を混ぜて織ったもの。
サイト「男の着物」はTwitterでライブ放送をしています。 お時間あれば、お聞きください^^ →Twitterアカウント